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井戸村 泰宏; Dif-Pradalier, G.*; Garbet, X.*; Sarazin, Y.*; Tore Supra Teams*
Physics of Plasmas, 30(4), p.042508_1 - 042508_18, 2023/04
被引用回数:1 パーセンタイル:50.16(Physics, Fluids & Plasmas)非線形大域的full-ジャイロ運動論シミュレーションを用いて、Tore Supra装置のジュール加熱Lモード放電における線形/飽和オーミック閉じ込め(LOC/SOC)領域の2時刻を解析した。トロイダルフィールド応力による早いイオン混合が炭素不純物の吐き出しを引き起こす。LOC/SOCフェーズで自発プラズマ回転が逆方向に発展し、これはLOCフェーズの捕捉電子モードとSOCフェーズのイオン温度勾配駆動モードにおけるモード非対称性の違いがもたらす分布シア応力の変化によって決まる。LOC/SOCフェーズにおいて電子と重水素イオンのエネルギー束がそれぞれ支配的になる。この2つのフェーズにおけるエネルギー閉じ込め時間の比率について実験値を再現した。
松岡 清吉*; 洲鎌 英雄*; 井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 28(6), p.064501_1 - 064501_5, 2021/06
被引用回数:4 パーセンタイル:41.65(Physics, Fluids & Plasmas)線形ランダウ衝突演算子から得られる摩擦係数と流束の関係式を再現可能な洲鎌らの改良型モデル衝突演算子を大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードGT5Dに新たに実装し、トカマクにおける単一イオン種プラズマの衝突性輸送シミュレーションを幅広い衝突度領域において実施した。摩擦係数と流束の関係式において高い精度が要求される高衝突度領域において、改良型演算子が理論的な衝突性熱拡散係数を正確に再現することを検証した。さらに、改良型演算子によって全ての衝突度領域において衝突性熱拡散係数と磁力線方向流れの係数をより高い精度で得ることにより、線形ランダウ衝突演算子によって記述される衝突過程が正しく保持されていることを実証した。
井戸村 泰宏; Obrejan, K.*; 朝比 祐一; 本多 充*
Physics of Plasmas, 28(1), p.012501_1 - 012501_11, 2021/01
被引用回数:6 パーセンタイル:58.33(Physics, Fluids & Plasmas)運動論的電子,バルクイオン,低Zおよび中Zのトレーサ不純物を含む大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションを用いてイオン温度勾配駆動(ITG)乱流におけるトレーサ不純物輸送を調べた。この結果、乱流粒子輸送に加えて、乱流輸送と新古典輸送の相乗効果による拡張新古典輸送がトレーサ不純物輸送に大きく寄与することがわかった。ITGモードのバースト的励起が電子とバルクイオンの非両極性乱流粒子束を生成し、これが両極性条件に従う径電場の速い成長をもたらす。これに伴う流の発散が磁気ドリフトによる輸送に関連する上下非対称な密度揺動を圧縮する。この密度揺動の振幅は圧縮効果と磁力線方向運動による帰還電流の競合によって決まるため、拡張新古典輸送はイオン質量に依存する。この機構は温度には働かず、粒子輸送のみを選択的に増大する。
朝比 祐一; 藤井 恵介*; Heim, D. M.*; 前山 伸也*; Garbet, X.*; Grandgirard, V.*; Sarazin, Y.*; Dif-Pradalier, G.*; 井戸村 泰宏; 矢木 雅敏*
Physics of Plasmas, 28(1), p.012304_1 - 012304_21, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:41.65(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ乱流の運動論的シミュレーションによって得られた5次元分布関数の時系列データに主成分分析を適用した。これにより、3桁におよぶデータ圧縮を実現しつつ、83%の累積寄与率を保持できた。各主成分ごとの熱輸送への寄与を調べることで、雪崩的熱輸送には速度空間の共鳴構造が関連していることが明らかとなった。
河合 智賀*; 井戸村 泰宏; 小川 雄一*; 山田 弘司*
Physics of Plasmas, 27(8), p.082302_1 - 082302_11, 2020/08
被引用回数:2 パーセンタイル:6.24(Physics, Fluids & Plasmas)弱磁気シアにおける大域的ジャイロ運動論モデルに基づいてトロイダル電子温度勾配駆動(ETG)乱流を調べた。大域的分布効果のために高トロイダルモード数nのトロイダルETGモードは外側の磁気面で励起され、強い線形分散をもたらす。この結果得られる非等方な波-乱流境界とエネルギー逆カスケードが帯状流の自己組織化を生成する。これは大域的ジャイロ運動論モデル特有の機構である。この自己組織化はランダムノイズによって初期化した減衰乱流とトロイダルETG乱流の両方で確認された。また、イオン電子温度比と乱流強度が決める臨界パラメータによってこの自己組織化過程が帯状流と等方的渦を生成することも示した。
井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 26(12), p.120703_1 - 120703_5, 2019/12
被引用回数:5 パーセンタイル:33.23(Physics, Fluids & Plasmas)本論文では大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションを用いてイオン温度勾配駆動(ITG)乱流が支配的な水素(H)および重水素(D)のLモードプラズマにおける水素同位体と規格化ジャイロ半径の影響を示す。断熱応答電子を用いたイオン加熱数値実験では、エネルギー閉じ込め時間はBohm的なスケーリングで決まり、水素同位体質量依存性は見られない。運動論的電子を用いた電子加熱数値実験は電子からイオンへの衝突性エネルギー移行に対する同位体効果に起因する明確な同位体質量依存性を示し、約1.4倍の加熱パワー比でH, Dプラズマは同様のイオン,電子温度分布を示す。H, Dプラズマの規格化無衝突イオンジャイロ運動論方程式はが同じ場合に等価となり、ITG乱流に対する衝突効果も弱い。このため、水素同位体質量依存性は主にスケーリングと加熱源によって決まる。
朝比 祐一*; Grandgirard, V.*; Sarazin, Y.*; Donnel, P.*; Garbet, X.*; 井戸村 泰宏; Dif-Pradalier, G.*; Latu, G.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 61(6), p.065015_1 - 065015_15, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:26.6(Physics, Fluids & Plasmas)Full-fジャイロ運動論コードGYSELAを用いて輸送過程へのポロイダル対流セルの影響を調べた。この目的のために、対流セルのフィルタを適用し、フィルタ有無のシミュレーション結果を比較した。フィルタを適用することで磁気ドリフトに駆動されるエネルギー束が半減することがわかった。対流セルの周波数スペクトは乱流レイノルズ応力テンソルの周波数と対応し、対流セルが乱流によって駆動されることを示した。この対流セルの効果は乱流と新古典のダイナミクスの相互作用と考えられる。
Donnel, P.*; Garbet, X.*; Sarazin, Y.*; 朝比 祐一; Wilczynski, F.*; Caschera, E.*; Dif-Pradalier, G.*; Ghendrih, P.*; Gillot, C.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 61(1), p.014003_1 - 014003_11, 2019/01
被引用回数:12 パーセンタイル:66.45(Physics, Fluids & Plasmas)流のポロイダル非対称性は新古典輸送に影響することが知られている。従来の新古典理論によると、静電ポテンシャルのポロイダル非対称性の大きさは非常に小さいと予測される。本研究では乱流による軸対称ポテンシャル生成の枠組みを提示する。帯状流,測地的音響モード、および、対流セルが単一モデルで記述される。これは準中性条件と連立したジャイロ運動論方程式を解くことによって得られる。この計算は乱流によるある特定の駆動が与えられた場合の流れの周波数スペクトルの予測計算結果をもたらす。また、中間的な周波数では主要な機構が帯状流による圧縮となるのに対し、低周波数では乱流レイノルズ応力のバルーニング構造が主要な駆動機構となることも示された。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 25(2), p.022510_1 - 022510_10, 2018/02
被引用回数:17 パーセンタイル:74.38(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ輸送シミュレーションにおいて、ジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずプラズマ全体について第一原理に基づいて解く大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。本研究では、複雑な3次元磁場形状をもつステラレータ型プラズマを大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードであるGT5Dに適用するため、GT5Dの差分計算手法の拡張、及び3次元磁場平衡構築コードVMECとのインターフェースの開発を行った。開発したコード群の妥当性検証を目的として輸送に関する標準的なベンチマーク計算を行った。その結果、GT5Dが局所理論解析モデルや他の大域的新古典輸送コードの結果とよく一致することを示した。
朝比 祐一*; Grandgirard, V.*; 井戸村 泰宏; Garbet, X.*; Latu, G.*; Sarazin, Y.*; Dif-Pradalier, G.*; Donnel, P.*; Ehrlacher, C.*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102515_1 - 102515_17, 2017/10
被引用回数:7 パーセンタイル:37.05(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクプラズマにおける熱流駆動型のイオン温度勾配乱流を計算するために2つの大域的full-Fジャイロ運動論コードのベンチマークを行う。この目的のために、full-Fジャイロ運動論方程式を現実的な熱流束固定条件で計算するセミ・ラグランジアンコードGYSELA、および、オイラーコードGT5Dを採用する。時空間特性に注目して雪崩的な輸送現象を評価した。自己組織化臨界現象(SOC)的な振舞いを議論するために統計解析を実施し、両方のコードで高周波側でスペクトルからスペクトルへの遷移を確認した。このベンチマークに基づき、SOC的な振舞いは数値計算法に依存しないロバーストな特徴であることを検証した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102522_1 - 102522_9, 2017/10
被引用回数:4 パーセンタイル:21.49(Physics, Fluids & Plasmas)軸対称磁場閉じ込め装置であるトカマク型プラズマにおいて、誤差磁場等に起因する3次元的な非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、3次元摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて詳細な解析を行い、上記の差異が生じる物理機構について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)粒子軌道の効果によって粒子軌道の共鳴構造が失われ、粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)粒子軌道に沿った位相混合により速度空間構造内に微細構造が生成され輸送量の減衰が起きること、の二つが原因であることを明らかにした。
井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 24(8), p.080701_1 - 080701_5, 2017/08
被引用回数:10 パーセンタイル:45.63(Physics, Fluids & Plasmas)大域的full-fジャイロ運動論モデルに基づく電子加熱変調数値実験から、電子加熱によるイオン温度勾配駆動(ITG)乱流から捕捉電子モード(TEM)乱流への遷移が密度勾配の急峻化とプラズマ回転の変化をもたらすことを示した。回転変化時のトロイダル角運動量バランスをトロイダル角運動量保存則の直接観測によって明らかにし、イオン系の乱流応力に加え、イオン系の新古典応力、径方向電流、イオン系と電子系のトロイダル電場応力が重要となることを示した。ITGフェーズとTEMフェーズにおけるトロイダルトルクの反転はイオン系方向電流の反転によるものであり、これは粒子輸送と運動量輸送の相互作用であることを明らかにした。イオン系と電子系の径方向電流は両極性条件を満たすようにバランスし、電子系の径方向電流は電子系のトロイダル電場応力によって打ち消される。これは電子系のトロイダル電場応力が間接的にトロイダルトルクに影響していることを示す。
河合 智賀*; 井戸村 泰宏; 前山 伸也*; 小川 雄一*
Physics of Plasmas, 24(4), p.042303_1 - 042303_13, 2017/04
被引用回数:2 パーセンタイル:10.49(Physics, Fluids & Plasmas)ジャイロ運動シミュレーションとHasegawa-Mima (HM)方程式に基づいてスラブ電子温度勾配駆動(ETG)乱流の自己組織化を調べた。自己組織化乱流構造のスケールと異方性は、Rhinesスケールと、HM方程式の断熱応答項によって与えられる特徴的なスケールによって変化する。前者は線形波分散と非線形乱流カスケードの競合によって決定され、後者は乱流カスケードが妨げられるスケールとして与えられる。これらのスケールは、密度勾配、温度勾配、イオンと電子の温度比などのプラズマパラメータによって制御される。プラズマパラメータに依存して、ETG乱流は大きく異なる輸送レベルを与える等方的乱流、もしくは、帯状流のいずれかを示すことがわかった。プラズマパラメータにかかわらず変調不安定性が帯状流を励起するが、最終的な乱流構造は自己組織化過程によって決定される。
Huang, B.*; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*; 洲鎌 英雄*; 松岡 清吉
Physics of Plasmas, 24(2), p.022503_1 - 022503_19, 2017/02
被引用回数:11 パーセンタイル:53.64(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ中の衝突性輸送(新古典輸送)を記述するドリフト運動論方程式に関して、近年、ゼロ軌道幅(ZOW)モデルと呼ばれる新たな局所近似近似モデルが提案されている。本研究では、ZOWモデルに基づく新古典輸送評価の妥当性を検証することを目的として、典型的な3つのヘリカル型磁場配位LHD, HSX, W7-Xのプラズマについて、種々の近似モデルを用いた新古典輸送及び平行方向フローのベンチマーク計算を実施した。その結果、ZOWモデルによる新古典輸送は径電場が大きく粒子のドリフトが大きい時には従来型の近似モデルをほぼ再現することを示した。また、従来型近似モデルを用いた場合には、ドリフトが小さく磁場ドリフトと同程度になった際に生じる非物理的な大きな新古典輸送が生じるが、このような非物理的な輸送の増大がZOWモデルでは生じないことも明らかになった。
菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*
Contributions to Plasma Physics, 56(6-8), p.592 - 597, 2016/08
被引用回数:2 パーセンタイル:11.45(Physics, Fluids & Plasmas)共鳴摂動磁場と径電場の効果を含む準定常状態の衝突性輸送を計算するための法に基づくドリフト運動論コードを開発した。本論文では、コードの妥当性を複数のテスト問題によって確認した。その結果、径電場がない場合に磁力線のカオス的振る舞いによって強く影響を受ける電子輸送が、正の径電場によって低減されることを明らかにした。
Farinella, D. M.*; Lau, C. K.*; Zhang, X. M.*; Koga, J. K.; Taimourzadeh, S.*; Hwang, Y.*; Abazajian, K.*; Canac, N.*; 戎崎 俊一*; Taborek, P.*; et al.
Physics of Plasmas, 23(7), p.073107_1 - 073107_10, 2016/07
被引用回数:4 パーセンタイル:21.57(Physics, Fluids & Plasmas)Experimental evidence has accumulated to indicate that wakefield acceleration (WFA) accompanies intense and sometimes coherent emission of radiation such as from betatron radiation. The investigation of this issue has additional impetus nowadays because we are learning (1) there is an additional acceleration process of the ponderomotive acceleration; (2) WFA may become relevant in much higher density regimes; (3) WFA has been proposed as the mechanism for extreme high energy cosmic ray acceleration and ray bursts for active galactic nuclei. These require us to closely examine the radiative mechanisms in WFA anew. We report studies of radiation from wakefield (self-injected betatron) and ponderomotive (laser field) in scalings of the frequency and intensity of the driver, as well as the plasma density.
洲鎌 英雄*; 松岡 清吉; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*
Physics of Plasmas, 23(4), p.042502_1 - 042502_11, 2016/04
被引用回数:7 パーセンタイル:37.08(Physics, Fluids & Plasmas)ドリフト運動論方程式について、及び磁気面に沿ったドリフトの両者を含む新たな径方向局所近似モデルを構築した。このモデルは保存系で表現されており定常解を得るための追加のソース項を必要としない為、数値計算に適したモデルとなっている。このモデルから得られる解は、準対称性を持つ磁場配位における性質として重要な、衝突性粒子輸送の両極性条件を満たす。また、逆に、両極性条件を故意に破るような近似モデルを考えた場合には、衝突性輸送によるエントロピー生成の正値性及び拡散係数のオンサーガー対称性が得られることを示した。
西内 満美子*; 榊 泰直*; Esirkepov, T. Zh.*; 西尾 勝久; Pikuz, T. A.*; Faenov, A. Ya.*; Skobelev, I. Yu.*; Orlandi, R.; Pirozhkov, A. S.*; 匂坂 明人*; et al.
Plasma Physics Reports, 42(4), p.327 - 337, 2016/04
被引用回数:13 パーセンタイル:59.02(Physics, Fluids & Plasmas)ペタワットレーザーと原子核物理学の技術を組み合わせることで、エキゾチック原子核の性質の測定を決定的に可能にする。数値シミュレーションとレーザー駆動実験により、我々は論文、西内等、Phys. Plasmas 22, 033107 (2015)で提案された「レーザー駆動エキゾチック核抽出-加速法」の展望について紹介する。この方法の特徴は、(1)フェムト秒ペタワットレーザーを、外部イオンビームによって破砕された原子核標的に照射し、(2)そして生成された短寿命の重エキゾチック原子核を数GeVの多価電荷としてまとめて一気に加速する、という画期的な方法である。
金崎 真聡; 神野 智史*; 榊 泰直; 近藤 公伯; 小田 啓二*; 山内 知也*; 福田 祐仁
Plasma Physics and Controlled Fusion, 58(3), p.034013_1 - 034013_6, 2016/03
被引用回数:23 パーセンタイル:78.92(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、背景ガスイオンの加速メカニズムを明らかにすることを主な目的とし、クラスターを構成するイオンと背景ガスイオンのエネルギースペクトルをそれぞれ評価した。高強度レーザーJ-KAREN(1J, 40fs)を、Hを背景ガスとするCOクラスターに集光しイオン加速実験を行い、計測体系を工夫することで、背景ガスイオンであるプロトンとクラスターを構成するC及びOイオンを完全に分離した計測に成功した。得られたエネルギースペクトルを評価したところ、プロトンは、高エネルギー側に裾を引く形でなだらかに個数が減少するのに対し、C及びOイオンについては1MeV/u付近で急激に個数が減少するという特性が明らかとなった。実験を模擬した粒子コードシミュレーションは、それぞれのイオンについて、実験結果とよく似た形状のエネルギースペクトルを示しており、クラスターがクーロン爆発する際に生成される電場によって背景ガスイオンが圧縮され、加速されるというメカニズムが明らかとなった。クラスターのクーロン爆発による背景ガスイオンの加速は、レーザープラズマ中の衝撃波発生機構とも関連していると考えられ、この観点からも興味深い現象である。
余語 覚文*; Bulanov, S. V.; 森 道昭; 小倉 浩一; Esirkepov, T. Z.; Pirozhkov, A. S.; 金崎 真聡*; 榊 泰直; 福田 祐仁; Bolton, P.; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 58(2), p.025003_1 - 025003_7, 2016/02
被引用回数:9 パーセンタイル:45.74(Physics, Fluids & Plasmas)The dependence of the energy of ions accelerated during the interaction of the laser pulse obliquely incident on the thin foil target on the laser polarization is studied experimentally and theoretically. We found that the ion energy being maximal for the p-polarization drastically decreases when the pulse becomes s-polarized. The experimentally found dependencies of the ion energy are explained by invoking anomalous electron heating, which results in high electrostatic potential formation at the target surface.